レシピ、味付け、盛り付け
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調理現場の実際 最近の調理現場は10年前比べ、ずいぶんと変わってきているように思います。 当たり前といえば当たり前なのかも知れませんが、残念なことに料理に対して 考えるという行為を忘れてしまっている方が増えたように思います。 料理書籍などで得られる情報が多くなってきたせいか、料理書籍からそのまま 抜き出したと分かるようなメニューが注文すると出てきたりします。 この傾向は特に居酒屋層に多く見られますが、一体その店のオリジナリティは どこへ行ってしまったのか?と悲しくなることもあります。 もちろん、飲食店という大きなくくりで見た場合、料理が売りではなく サービス、店舗の内装が売りということもあるので一概には 言えませんがその職場で働く調理師の方はどう思っておられるのだろう? と考えてしまいます。 ここでは時代に関係なく通用する料理にたいする考え方をご提案したいと思います。 レシピ 私が調理師として働き始めたころは今で言う「レシピ」みたいなものは あまりなかったような気がします。当時はよく「舌で覚えなさい」と言われました。 最近では料理書籍の影響かよく「レシピをください」と言われます。 実際私はあまりレシピを作ってから調理をすることはないので 非常に困ることがあります。 確かに味の安定という部分では「レシピ」は大切だと思います、 しかし、安定を求めるがゆえに気づかないうちに料理に対して考えるという機会も 少なくなっているような気がします。 もうひとつはレシピに頼りすぎて調理過程をよく観察しなくなったという面もあります。 レシピがあるから後でレシピを見直せば調理過程を見なくてもいいと 思っている方も中にはおられるようです。 私としては「レシピ」の元になっている考え方を知るのが一番勉強になると思っています。 レシピや作られた料理は完成形であって、料理人の深い考えがシンプルになって 出ているものだと思います。 何故、この組み合わせなのか?色のとり方はこうなのか?味わいはどうなのか? いろいろ考えがあってその料理は完成しているのです。 その考え方を知って理解できれば、その料理だけでなく、同じ考え方で 全く違う料理に発展することもできます。 私が言いたいのはまず、レシピよりもその考え方を学べということです。 レシピはその後に大切に保存しておいてください。
調味(味つけ) 調味、味付けについては大まかに分けると1:「素材の味を助長する」、2:「素材の味と反対の味をつける」 3:「素材をいくつも混ぜ合わせ複合的な味を作りだす」の3種類になります。 (これに該当しない味付けもあります。) 1は素材の味の特徴をさらにはっきりとするために良く使います、 例えばトマトの甘酸っぱさをもっとはっきりするように甘味と酸味を加えたドレッシングをかける というような感覚です。 2は個性の強い素材によく使われます。味を中和、相殺して食べやすくすることが目的です。 たとえが少し極端になりますが、レモンをそのまま食べるのは酸味が強すぎで 食べられないので、蜂蜜をかけて食べると食べやすくなるというような感覚です。 3は特に西洋料理で多く見かけられます。味の融合とでもいいましょうか、 素材と素材の一体感を味わう調味方法だといえます。 和食の炊き合わせなどは別々に炊いて盛り付けるのでこれに該当しません。 各料理の基本的な味付け 上記の味付けとは別に西洋料理、和食、中華などの基本の味があります。 和食などで言えばしょうゆとかつおだしですね、日本人には欠かすことができない 調味料です。 中華料理だと、唐辛子や鶏のスープなどでしょうか、西洋料理だと、オイル、ハーブなどです。 各料理の基本的な調味料と素材を使って上記の味付けの考え方を持つと より料理というものが深く理解できるようになります。
盛り付けと器 ここ数年で料理の盛り付けはすごいスピードで変わってきています。中には食べる側の ことも考えないまるでアートのような盛り付けもあります。 そこには料理人の粋な部分が出ていて素晴らしいと思います。 しかし、調理師になりたての方たちが最初からそれをしてしまうのは いかがなものかと思います。 まず、は盛り付けの基礎、器のことを勉強してからにしましょう。 特に和食では器や、盛り付けにはしっかりとしたルールがあります。 最近になって少しルールを外れた盛り付けも見るようになって来ましたが 和食の盛り付けのルールは食べ手のことを考えた盛り付けになっています。 わさびが右下にあるのは一番右利きの人が取りやすい位置だからとか そんな風に決まっています。 そんな本当の基礎が分かってから創作的、デザイン的な盛り付けや目新しい器に 挑戦していただきたいと思います。 そもそも今の流行の盛り付けというのは本来の盛り付けをくずす ところから始まっていると考えられます。 何もない所から突然産まれたわけではありません。 本来の盛り付けを知っているからくずすことができるし、またその意味も分かり、 盛り付けの粋も感じることができます。 そしてまた、基本を知っていればくずすことから元に帰ることもできます。 何でもそうだと思いますが、流行よりまず根本の流れを知ることが大切です。 流行や個性を取り入れるにはその後でも十分ですし、 むしろその方がよりよい盛り付けをできるとおもいます。
レシピ・味付け・盛り付けのまとめ
基本をしっかりと押さえること これがないとその上にどんなものを積み上げてもすぐに崩れてしまいますし、 料理に筋が通りません。 まずは基本です。 あとは料理の考え方を学ぶこと、一言でトマトソースと言っても店の種類だけ、 レシピがありますし、和食でも八方だしと言っても店の数だけレシピがあります。 料理に対して考えるということを習慣にするといろんなことが分かるようになってきます。 そうなるとレシピをもらう側ではなくレシピを渡す側になることができます。 つまり、自分で全くの0から新しい料理を作れるようになると言うことです。 そして自分の料理の基盤を作ること、これが一番大切なことかもしれません。 この基盤は10年たった私でも変わることがありません。 もちろん、その上にのっている表面的に出てくる料理は変わってきていますが、 根本の料理に対する考え方はあまり変わることがないと思います。 私がおすすめするのは厳しくてもいいから調理師になってからの3年は しっかりと料理の基本を踏まえた所で働くことです。 石の上にも3年です、まずは自分の中にしっかりとした料理の柱を立ててください。 その他に質問があれば私の分かる範囲であればご相談に乗ります。
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